睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まる疾患です。医学的には、睡眠中に10秒以上息が止まった状態を無呼吸と言います。気流制限によりいびきを伴う事が、多く認められます。眠っている間の状況は、本人には把握出来ないことが多く、家族によるいびきや無呼吸を指摘されて来院される方も多いです。
睡眠時無呼吸症候群の原因は、①物理的に狭くなり、呼吸が止まってしまう閉塞性睡眠時無呼吸と、➁呼吸中枢性の異常による中枢性睡眠時無呼吸に分けられます。
睡眠時無呼吸症候群を引き起こすと、心身を回復させる睡眠中に呼吸が止まります。身体に回る酸素が減少し、心拍数が上昇し、身体に負荷がかかります。その結果、十分な睡眠時間を取っていても、日中の疲労感、眠気、集中力の低下を引き起こします。そして、脳疾患、循環器系疾患、高血圧症、糖尿病等の生活習慣病を引き起こします。最悪の場合、突然死につながる事も報告されています。
ですから、睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合は、早めの対処が必要です。20数年前までは、睡眠時無呼吸症候群に対しては、ダイエットと側臥位での睡眠で対応していました。近年、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)が保険適応になって普及してまいりました。
当院では、アプノモニター検査で睡眠時無呼吸症候群の診断を行い、CPAP療法の導入を行っています。「最近家族からいびきや無呼吸を指摘された。」「十分睡眠を取っているのに疲れが取れない」「仕事中に眠りに落ちてします。」等、気になる点がありましたら、気軽にお声かけいただければ幸いです。