気管支喘息(喘息)は、空気の通り道である気道に炎症が持続し、様々な刺激に気道が敏感になって、発作的に気道が狭くなる疾患です。日本人の成人での喘息有症率は9%程度、有病率は5%程度と報告されています。高齢者で発症される方もおられます。
症状として、発作性に咳や痰が出て、喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)を伴う呼吸困難感(喘息発作)が認められます。夜間や早朝に症状が出現するのが特徴です。小児喘息の既往があって、成人になって軽快していた方が、かぜや喫煙を契機に発症することも、しばしば認められます。症状は典型的なものばかりでなく、咳が主体の場合もあります。慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)、気管支炎、心疾患との合併や鑑別も重要です。
診断としては、臨床症状から喘息が疑われる患者さんに対して、肺機能検査を施行します。気管支拡張剤の吸入で、肺機能が改善すれば、気管支喘息の可能性が高いと考えられます。採血や喀痰検査で、アレルギー体質であるかを調べる事も重要です。
喘息の治療は、原因となる増悪因子を取り除き、気道の炎症を抑制し、気道狭窄を改善する事です。治療薬としては、吸入ステロイドや気管支拡張剤が主体となります。喘息治療の目標は、単に呼吸が苦しくなくなるだけでなく、普通に日常生活、社会生活が送れる事だと考えています。
私は、東北大学第一内科(呼吸器内科)で、気管支喘息の診療、臨床研究に携わってまいりました。当クリニックではその経験を活かし、気管支喘息に対して肺機能検査をはじめとする客観的な診断を行い、患者さんの病態に合った適切な治療を行っていきたいと考えています。どうぞ、よろしくお願いいたします。